左はエルミタージュ美術館の図録。館内で売り歩いている人から買ったもの。ちゃんと日本人用を差し出してくれた。値段は1000円。左のCDは、本文参照。
クレムリン内のショップで買ったテーブルクロス。これぞロシアっていう図柄だ。900ルーブル。
スーパーで買い物 |
サンクトペレルブルグのホテル近くに24時間営業の大型スーパーがあった。ここで買い物をしてレジで支払いの時のことだ。東洋人の旅行者だと見抜いたレジの男性は、ボクの後ろに並んでいた女性に何か話し始めた。内容は全く分からない。2,3回のやり取りのあと、その女性は自分の財布からカードを取り出し、レジの男に手渡した。そして男が機械にそのカードをかざすと、レジに表示されていたボクの買い物の合計金額が一気に下がった。ボクは何がなんだか分からないまま、その金額を支払た。多分こういうことだろう。 このスーパーでは、会員カードを持っていれば会員価格で安く買い物ができるシステだ。レジ男は、会員カードを持っていない東洋人に「カードを貸してやって」と後ろの女性に頼んでくれたに違いない。多分ポイントが付くので、その女性も快く見知らぬ東洋人の買い物に協力してくれたのだ。 そう理解したボクは、女性とレジ男に「サンキュー、サンキュー」とお礼の言葉を発したが、分かってもらえたかどうかは分からない。とにかくボクは、嬉しかった。安く買えたからではない。見知らぬ旅行者に対して、こんなに親切に接してくれたことが嬉しくてしかたなかった。 |
ロシアへは、大韓航空を使う。関空からソウル・インチョン空港で乗り継ぎをしてロシアのサンクト・ペテルブルグへ向かう。関空〜ソウルが約1時間50分、ソウル〜サンクト・ペテルブルグが約9時間35分。機内では、有名になったあの「ナッツ」が提供された。袋は、もちろん自分で開ける。インチョン空港(写真下段右)は、巨大なショッピングセンターのようだが、買い物する人はまばら。免税店でも、かつてのような割安感はほとんどなかった。
オランダを旅した時、同じツアーの人から「美術館が好きならエルミタージュ美術館へ行ったらいいよ」と言われ、それからずっとこの美術館のことが気になっていました。今回、ようやくこの夢を叶えることができました。ロシアへはビザが必要だし、英語が通じないので何だか敷居が高いような気がしていましたが、ツアーから離れて地下鉄に乗ったりスーパーで買い物をしたりすることもできました。思ってた以上に自由に楽しめた旅でした。
ペラペラの紙に印刷された手作りの入場チケット(写真上)と写真撮影許可書(写真下)。
写真撮影の100ルーブル(約300円)を払えばこのCDがもらえる。内容は、「お経」?が67分間続く。
渋滞のお陰で、ほぼ駆け込み乗車だった。列車は、モスクワ行の高速列車「サプサン号」。日本だと、ちょうど東京〜岡山ぐらいの距離を4時間20分で走ってくれる。座席は2−2シート。四人掛けと二人掛けがあるが、シートは回転しない。窓枠に阻まれて外が見えない席もある。各席のシートのポケットには、イヤホンが用意されていて、音楽やテレビの音声が聞けるようになっている。夕刻、無事にモスクワに到着した。しかし・・・
とても6時間では見て回れない。館内ガイドが最初の「ゴールデンルーム」の案内に時間を割いたので、本当に見たかった絵画関係は駆け足になった。印象派以降を展示した別館(写真最下段)の入館は、別に料金がいる。ここも駆け足だ。写真撮影は、フラッシュさえ使わなければOK。
クレムリン観光を楽しんだ後は、18:55発のソウル行き大韓航空で帰路に就いた。
デカプリスト広場
青銅の騎士像
ラファエロの「コネスタビレの聖母」
グム百貨店は、賑わっていた。ブランド物のショップが軒を連ねている。社会主義時代の国立百貨店の面影はもはや無いのだろう。長い行列ができていたのでその先が気になって見に行ったが、そこには小さなソフトクリームの店があっただけだ。欧米からの経済制裁の影響で物価上昇が激しいらしく、どの商品も日本で買ったほうが安そうだった。
エルミタージュ美術館 |
この美術館には、これといった目玉になる作品がないように思った。ルーブルならモナ・リザ、オルセーなら印象派、イタリア美術館ならルネサンスといったような特徴が感じられない。幅広いジャンルから平均的な作品を所蔵している美術館という印象だ。ダ・ビンチにしてもラファエロにしても作品は揃っているが、残念ながら小作品というイメージだ。 そんな中で、感動した1枚はレンブラントの「放蕩息子の帰還」だ。レンブラントは、アムステルダム国立美術館に所蔵されている「夜警」が代表作で、その前に立てば時間を忘れてしまうほどの圧倒感だ。一方、このエルミタージュの「放蕩息子の帰還」は、その前に立ち登場人物の表情を眺めていると思わず涙を流してしまう。 ボクは、映画やテレビを見て泣いてしまうことはある。本を読んでいてもそうだ。しかし、音楽を聴いて泣くことはない。写真もそうだ。そして絵画は、涙する芸術であることを、この1枚が教えてくれた。 |
途中、レストランで夕食を取って、2連泊するノボテル・センターホテルに到着。ホテルの下は地下鉄の駅だ。
このふたつは、ロシアではなく乗り継ぎのソウル・インチョン空港で買ったもの。エトロのピアスとショール。日本円で支払って、お釣りも円でもらえた。
サンクトペレルブルグのスーパーで買い込んだウォッカ、コーヒー3点、それにチョコレート。このチョコレートは、ロシアらしいパッケージが評判でガイドブックにも載っていたもの。値段は、ウォッカ:150ルーブル、コーヒー:160〜234ルーブル、チョコレート:大が52ルーブル、小が12ルーブル。
3連泊するクラウン プラザ エアポート。
サンクト・ペテルブルグには夜10時頃に到着した。でも、空はまだ明るい。
座席には、USB端子があるのでスマホの充電ができる。(写真右)
車窓から見たペトロパヴロフスク聖堂(写真左)と宮殿広場(写真右)。宮殿広場の左に見える建物が、明日訪れるエルミタージュ美術館だ。
帰りは地下鉄だ。日本語どころか英語も通じない。とりあえず、グム百貨店から出ていく人の流れに沿って歩くことにした。歩くこと約10分。地下鉄の入り口が見えた。地下鉄の路線図を見て駅の位置を確認する。どうやら、1回の乗り換えでホテルに帰れそうだ。ガイドブックでは宮殿のような地下鉄の駅が数多くあるというので、これも気になる。結局、6号線キタイ・ゴーラト駅から乗車、プロスペクト・ミーラ駅で5号線に乗り換えてノヴォスロボーツヤカ駅で下車して、無事にホテルにたどり着けた。100回聞いても憶えられない駅名ばかりだ。
宮殿のようなプロスペクト・ミーラ駅
ステンドガラスが綺麗なノヴォスロボーツヤカ駅
この日のサンクト・ペテルブルグは青空が広がり、またとない観光日和だったので、現地ガイドさんが気を利かせてホテルに戻る前に明日の観光地に立ち寄ってくれた。写真左が血の上の教会。右がニコライ1世の馬上像。この機転により、後々我々は無事モスクワに到着することができた。
ゴッホの「あばら屋」
日数 | 時間・日程 | 観 光 先 | 宿泊地・ホテル |
1日目 | 関空発 12:25 ソウル着 14:15 ソウル発 17:55 サンクト・ペテルブルグ着 21:30 |
空港会社は、大韓航空です。ソウル・インチョン空港で乗り継ぎをします。 | サンクト・ペテルブルグ泊 CROWNE PLAZA AIRPORT |
2日目 | サンクト・ペテルブルグ市内観光 | ・ピョートル大帝「夏の宮殿」 ・エカテリーナ宮殿(琥珀の間) ・聖堂の騎士像 ・血の上の教会 |
サンクト・ペテルブルグ泊 CROWNE PLAZA AIRPORT |
3日目 | エルミタージュ美術館 | 終日 エルミタージュ美術館 | サンクト・ペテルブルグ泊 CROWNE PLAZA AIRPORT |
4日目 | サンクト・ペテルブルグ市内観光 モスクワモスクワへ移動 |
・聖イサク寺院 ・カザン聖堂 午後から高速列車「サプサン号」でモスクワへ(約4時間20分) |
ロシア泊 NOVOTEL CENTRE |
5日目 | セルギエフ・プサード モスクワ |
・トロイツェ・セルギエフ大修道院 ・ノヴォデヴィチ修道院 ・アルバート通り散策 ≪自由行動≫ ・赤の広場 ・ドム百貨店 |
ロシア泊 NOVOTEL CENTRE |
6日目 | モスクワ モスクワ発 18:55 |
モスクワ観光 ・赤の広場 ・聖ワシリー寺院 クレムリン観光 ・ウスペンスキー寺院 ・武器庫 ・ダイヤモンド庫 |
機中泊 |
7日目 | ソウル着 09:40 ソウル発 15:20 関空着 17:05 |
サンクトペテルブルクで3連泊したホテル。毎日ペットボトルのミネラルウォーターをサービスしてくれたので、水は買わずに済んだ。夜10時半でも窓の外は明るい(写真右)。明日は、いよいよモスクワだ。
日本から持参したカップ焼きそばがこの日の夕食だ。途中で離団したので、夕食は自前になる。明日は、いよいよ帰国日。
「私も欲しい・・・」 |
この宮殿は、ピョートル大帝の皇紀・エカテリーナがフランスでベルサイユ宮殿を見た時に、「私もこんなのが欲しい」と夫におねだりして建ててもらったそうです(現地ガイドの話)。いつの時代も、どこの国でも夫は奥さんには弱いんですねぇ〜。 |
昼食を挟んで次に訪れたのは、エカテリーナ宮殿。やっぱり、玉ねぎ屋根がそびえ立っている。そしてやっぱり黄金色。宮殿内は、豪華な装飾と調度品そして絵画で溢れかえっている。すべての壁に琥珀を隙間なく張り詰めた「琥珀の間」の写真撮影は禁止されている。
モスクワに戻って世界遺産のノヴォデヴィチ修道院を見学。
さらにクレムリンに近づいて、アルバート通りを散策。ここは歩行者天国になっている。ボクと同伴者はここでツアーから離団して、単独行動をすることにした。目的地は、赤の広場とグム百貨店だ。帰りは、地下鉄で自力でホテルまで帰ることになる。無事にホテルに帰れるか、少し不安が残る。
最初の観光地は、ピョートル大帝「夏の宮殿」です。いきなり、玉ねぎ屋根の教会や黄金色の数々の装飾、噴水それにフィンランド湾・・・。文化の違いに心構えができておらず、そしてあまりにも見るものが多すぎて軽いショックを受ける。「いたずらの噴水」の存在は、格式高く荘厳なこの庭園とのミスマッチでそれがとても魅力に感じた。ロシア人のユーモアーが分かった気がする。
※ 「いたずらの噴水」=庭園内を歩いていると突然地面から水が噴き出し、服が濡れてしまう。センサーがあるのか、誰かが遠隔操作しているのか、それは秘密になっている。(本当のことは、現地ガイドさんから教えてもらった)
離団してからは、ひたすら歩いた。30〜40分は歩いたと思う。気温は30度近くあっただろう。何度も地図を見ながら、汗を拭いながら歩いた。そして、クレムリンの城壁の角を曲がると写真で見たことのある玉ねぎ頭が彼方に見えた(写真左)。さらに、緩やかな坂道を登り詰めると玉ねぎぼうずがはっきりと現れた(写真中央)。すると、ここが赤の広場だ。左が目的地のグム百貨店になる(写真右)。
聖イサク寺院
赤の広場
ダ・ビンチの「花を持つマドンナ」
2015年7月5日 両替レート 1ルーブル=2.7円
今回の旅行で、マトリョーシカだけは絶対に買わないでおこうと思っていたが、こんなに買ってしまった。
サンクトペレルブルグのホテルのショップで買った帽子とコンパクトミラー。帽子は、旅行中ずっと被っていた。帽子:630ルーブル、コンパクト:175ルーブル。
サンクトペテルブルク市内観光後、モスクワ駅へ向かう
しかし、事故による大渋滞・・・。電車の出発時間が迫る。
クレムリン
※ クレムリンの中では、武器庫とダイヤモンド庫は一切写真撮影ができない。特にダイヤモンド庫は、厳重な警備が行われていた。
レンブラントの「ダナエ」
この日は、「黄金の環」の都市のひとつセルギエフ・ポサードへ向かった。ほとんど観光化されているように見えるが、熱心な信者の参拝者も数多く見た。100ルーブル支払えば、写真撮影もOK。
雨の中のエルミタージュ美術館。この美術館の名前を初めて聞いてから4年が経っている。今日は1日中ここで美術鑑賞になる。昼食も館内のカフェだ。外は写真のとおり雨だが、ボク達にはこの日に限っては天気は関係ない。
この日の夕食。写真左から前菜のサラダ、メインのつぼ焼き、そしてつぼ焼きの「ふた」を開けたところ。どんな味だったか、どうしても思い出せない。ロシア人の味覚は、日本人に似ていると、あるガイドブックに載っていたように、出された料理で食べれないものはなかった。むしろ、美味しく食べられたものがほとんどです。他のヨーロッパの国々と違って、テーブルにはペットボトルの水がひとり1本置いてあるし、食後はコーヒーか紅茶を出してくれる。こんな国は始めてだ。